へ継ぐ、奥永源寺のコンニャク 途絶えた製法、高校生ら挑戦 滋賀

 東近江市蓼畑町など奥永源寺地域に伝わるコンニャク作りを復活させようと、地域住民や同市内の県立八日市南高の生徒らが、町内の加工場で、代々伝わる製法でのコンニャク作りに挑戦した。

 町民などによると、かつては正月前には加工場に住民らが集まり、200~300丁作っていたという。しかし、10年ほど前からコンニャク作りが途絶え、加工場も閉鎖されていた。

 「またコンニャクを作りたい」という機運の盛り上がりを受けて、町民側から同地域で農業体験学習を続けている八日市南高に企画を持ちかけ実現した。

 同校の1、2年生8人が参加。ゆでて皮をむいたコンニャクイモを杵と臼を使ってつぶし「にが」と呼ばれる灰汁と混ぜて手でこねる。こねたものをにが入りのお湯で40分ほどゆでて、コンニャクが完成した。

 にがは、こねたものを固める働きがあり、同町の伝統的な製法では、木とワラの灰をそれぞれ熱湯でこしたあと、2つを混ぜて作る。生徒たちは「しっかりこねて」など町民から指導を受けながら、時にはメモを取るなどして真剣にコンニャク作りに取り組んでいた。

 完成品は町民らがさしみや田楽などに調理。生徒らは、歯応えのあるコンニャクを「おいしい」とほおばっていた。

 2年の水野靖弘さん(17)は「古くから伝わる作り方を知り、昔の人たちはすごいと思った。手作りのコンニャクが続いていくよう、広めていきたい」と話していた。

 コンニャク作りを指導した同町の中川太郎さん(78)は「コンニャクの技術を次の世代にも受け継げるよう、伝えていきたい」と力を込めた。今後、近くの道の駅「奥永源寺渓流の里」などで作ったコンニャクを販売することなどを計画しているという。